コロナショックの5年前、MLBでも無観客試合。1試合の損失額は? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 その一方で前例のない試合だけに、報道陣は普段の3倍ぐらいの人数が押し寄せ、テレビやラジオは通常どおりの実況中継が行なわれました。また、球場周辺にはフェンスの隙間から覗き見する熱心なファンが数百人も集まり、隣接するホテルのベランダから観戦する人の姿もあったようです。

 ちなみに当時、無観客試合によるオリオールズの損失額はいくらだったのか。

 1試合あたりの観客動員数2万5000人にチケット代平均25ドルをかけ合わせると、入場料収入が約60万ドル。それに駐車場や売店などの収入を合わせると、およそ100万ドル(約1億円)の損失だったと言われています。

 その試合でオリオールズの4番を打ったのは、今年鳴り物入りでオリックスに入団したアダム・ジョーンズ外野手です。当時は「スポーツは黒人・白人に関係なく、人々をひとつにするもの」と残念がっていました。しかし今回、日本のオープン戦での無観客試合についてはまったく異なる状況だけに、「この決定は正しいと思う」と理解を示すコメントを残しています。

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