4度目の開幕投手は日本の誇り。田中将大、準備はOK。公私とも充実だ (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 少し気になるのは、田中は過去3度の開幕戦では0勝2敗、防御率9.49といい結果が出ていないことだ。この点を踏まえ、"4度目の正直"への渇望について聞くと、田中らしい丁寧な答えがかえってきた。

「いい投球はもちろんしたいですけど、マウンドに上がるときにその気持ちが大事かって言ったら大事じゃないと思うんですよね。マウンド上でやることは、『いい結果を出したい』と考えることではない。いい結果を残すために、どういうことをしなければいけないか。その細かいことを考えることが大事なんだと思います」

 結果、数字よりもプロセスを大事にしたオープン戦と同様、田中は開幕戦に関しても準備の大切さを強調した。裏を返せば、やるべきことをやっておけば結果はついてくるという自信の表れだろう。

 開幕戦の勝敗はどうあれ、プレーオフでの活躍ゆえに"ビッグゲーム・ピッチャー"と称されるようになった田中の勝負強さへの評価が変わることはあるまい。ただ、例えそうだとしても、好スタートが大きなプラスであることはもちろん間違いない。

「準備はできていますよ。いろんな感情、気持ちは出てくるでしょうし、開幕を迎えるまでに、もちろん緊張もする。それをあえて消そうとする気持ちもないし、緊張するならしたらいい。自分自身でコントロールできるところをコントロールしながらマウンドに上がれればいいかなと思います」

 チーム、個人ともに順調な中で、成熟を感じさせるようになった田中からはビッグシーズンの匂いがほのかに漂ってくる。キャンプ終了と同時に第2子を授かったことも報告し、公私ともに充実。2019年を真の意味で最高の1年にするために、まずは開幕戦の初勝利で大きな弾みをつけたいところだ。

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