MLBオールスターの名打撃コーチが語る「イチロー、教え子、殿堂入り」 (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • photo by Getty Images

今シーズン、飛躍的な成長を遂げたマリナーズのミッチ・ハニガー今シーズン、飛躍的な成長を遂げたマリナーズのミッチ・ハニガー── 近年、メジャーリーグは本塁打を含めた長打重視の傾向が見受けられます。でも現役時代のあなたは、そういうタイプとは異なるコンタクトヒッターでした。現在の打撃傾向についてどう思いますか。

「それが今の流れということなのだろう。選手たちはトレーニングを一生懸命するようになって、よりパワーをつけている。だけど、すべての選手がそういうタイプの打者というわけではなく、もともとコンタクトヒッターだった選手は、これまでと変わらずにミート中心のバッティングを心がけていると思います」

── 今回のMLBオールスターチームには、マリナーズのミッチ・ハニガー選手がいます。今シーズン、チームでMVP級の活躍をしましたが、ハニガー選手のすぐれている点はどのあたりですか。

「絶対に準備を怠らないし、彼は本物のプロフェッショナルです。常に上達しようという意欲にあふれている。まだまだ成長できる素養があります。まだ若い(27歳)のに、すでにリーダーシップを発揮している」

── バッティングもすばらしいですが、守備でもチームに貢献しています。

「彼はどんな時も手を抜かない。こういう選手がいてくれるだけで、ベンチはすごく助かります。チームにとって心強い存在の選手です」

── 最後に、あなた自身のことについて聞かせてください。現役時代、おもに指名打者だったことで、資格を得てから9年間、これまで野球殿堂入りを逃してきました。とはいえ、年々、得票数を伸ばしています。来年の1月が殿堂入りをかなえる最後のチャンスとなりますが、その可能性についてどう考えていますか。

「歴代の殿堂入りした選手たちの傾向を見ていると、自分も可能性は小さくないと感じています。去年は70%まで得票率が伸びました(殿堂入りに必要なのは得票率75%以上)。だからチャンスはあると思っています。願わくはそうなってほしいけど、どうかな......。"座して待つ"といったところです」

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