米国FA専門家が「青木宣親はベンチ」の評価。ヤクルト復帰はあるのか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ただ、ライター記者は青木の長所にも目を向けていた。

「青木は、バットに当てるうまさは保持している。三振率11.8%と出塁率.335はポジティブな材料だ」

 昨季の青木の出塁率はメジャー入り後では自己最低だったが、それでも上記のカブレラ(.324)、メイビン(.318)、グランダーソン(.323)の数字を上回っている。さらに、メッツでレギュラー扱いを受けた約1カ月間に限定すれば、出塁率は.371に跳ね上がる。こういった数字は、青木が依然としてメジャーでプレーできるだけの力を残していることを指し示している。そこで気になるのは、粘り強さ、コンタクトの巧さといった青木特有のツールが、今オフにどれだけ望まれ、そこにどれだけの値段がつけられるかだ。

「最新のデータで守備範囲が狭くなっていることも考慮すれば、青木がメジャーでレギュラーを務めるべき時間は終わったと私は考える。来季は年俸150万ドル(約1億6900万円)程度での1年契約に落ち着くのではないか。あるいは、まずはマイナー契約を結び、スプリングトレーニングで4番手、5番手の外野手の仕事を模索する可能性の方が高いのかもしれない」

 昨季中に2球団から放出された事実を見ても、ここでライター記者が導き出した「レギュラーは難しい」という結論を否定するのは難しい。

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