単打28本なのにホームラン37本。ヘンな強打者が初タイトルを狙う (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 ただ、ポメランツはプロ入りしたときから評価が低かったわけではありません。2010年のドラフト1巡目・全体5位でインディアンスから指名を受けた当時は、将来を嘱望される若手ピッチャーのひとりでした。しかしながら、2011年にコロラド・ロッキーズでメジャーデビューを果たすも3年間でわずか4勝と芽が出ず、2014年~2015年のアスレチックス時代も合計10勝12敗。時には先発からリリーフに回されることもありました。

 ところが昨シーズン、トレード先のサンディエゴ・パドレスでシーズン前半を8勝7敗で折り返し、7月にレッドソックスでも3勝を挙げて自身初のふたケタ勝利をマーク。これが自信につながったのか、今シーズンはカットボールを多く投げるようにしたことで、まるで見違えるように勝ち星が増えていきました。いまやポメランツはレッドソックスに欠かせない堂々たる先発2番手です。

 本塁打王、打点王、最多勝......いずれも長い歴史を持つ名誉ある栄冠を、はたして誰が手にすることになるのか。初めての個人タイトル奪取に挑む彼ら3人にも注目です。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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