ジーターは新生マーリンズに「44歳イチロー」の居場所をつくるのか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 新生マーリンズは、まず主砲ジャンカルロ・スタントンの処遇という難しい決断を迫られることになる。スタントンは8月20日までの16試合で12本塁打と大爆発して、ここまでメジャートップの45本塁打を放つなど好調だ。しかし、2014年11月に結んだ13年3億2500万ドル(約377億円)という途方もない契約がチームに重くのしかかっている。

「それぞれのチームに適した給料総額がある。ひとりの選手の給料がペイロールの半分を占めてしまうようなら、チームは編成できない」

 メッツとの3連戦中、ドン・マッティングリー監督はそんな言葉を残した。マーリンズの今季の給料総額は1億1870万ドル(約130億円)。単純計算するとスタントンの年俸は約29億円で全体の半分まではいかないが、約4分の1を占めているとなれば、放出が話題にのぼるのは当然かもしれない。

 新体制でのチーム作りに臨むにあたり、巨額の契約を残したスタントンをトレードに出して新しい方向に向かうべきか、パワーというわかりやすい魅力を持つ彼を看板に据え続けるべきか。ここでどんな選択をするかで、ジーターが理想とする球団のビジョンが見えてくるだろう。

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