中日再建の秘密兵器か。大塚晶文コーチ兼スカウトが米国で「宝探し」 (5ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text & photo by Asa Satoshi

 メジャー契約を結べるのは、1球団あたり40人。そこからメジャーのベンチに入れるのは25人である。単純計算すると、3Aのメンバーの過半数が出番を待つ"メジャーリーガー"ということになるが、大塚によると、チワワズのロースターのうちメジャー契約者は10人にも満たないらしい。

「やっぱりここには、まだまだ足りない選手が多いですよ。2Aとか1Aにもメジャー契約の選手がいますから、ここには7、8人というところですね。パドレスは、比較的じっくり育てようという方針なのか、プロスペクト(有望株)はアドバンスA(シングルA級は、上からアドバンスA、A、ローA、ショートシーズンAに細分化されている)に結構います。

 メジャー契約の若い選手をどのクラスに配属するかは、在籍年数にもよりますね。また、その選手を何年で育てようかというチーム方針もあります。ドジャースなどは20歳の選手をメジャーに上げていますけど......。アメリカでは、プロスペクトをメジャーで鍛えた方がいいのか、マイナーの方がいいのかという議論がいつも起こります。日本だったらいい選手は一軍で育てるじゃないですか。でも、こっちは人数が多いし、ケガの心配もあるので、下で育てることが多いですね。せっかく、大金をつぎ込んで獲得しても、壊れたらどうしようもないですから。

 そういう意味では、3Aは育てる場所であり、調整する場所でもあります。試合は、やはりメジャー契約の選手を使うことが多いです。それにリリーフピッチャーなどは、登板間隔を4日空けることはありません。メジャー側の需要を考えて起用するんです。この間も、コーディネーターから電話があって、今から登板させようとしている投手を『昇格させるから、投げるのは15球までにしてくれ』と」

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