ダルビッシュ移籍後初勝利。ナ・リーグとの相性のよさはホンモノだった (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 しかしながら、ドジャースの先発陣に弱点がないわけではありません。先発メンバーを見ると、エースのカーショウ以外に「剛腕タイプ」のピッチャーがいないのです。彼らは大舞台の経験が少なく、カーショウをのぞく5人はポストシーズンで合計2勝しか挙げていません。

 さらにレギュラーシーズンで最多勝2回、最優秀防御率4回、奪三振王3回を誇るカーショウですら、肝心のプレーオフでは奮わなかった過去があります。ポストシーズン通算18試合(14先発)での通算成績は4勝7敗・防御率4.55。特にリーグチャンピオンシップシリーズでの成績が悪く、8試合のうち5先発して1勝4敗・防御率5.58という低調ぶりです。

 また、ドジャースの先発陣にはケガの不安もあります。今シーズンは先発6人全員が故障者リストに一度は入っており、それは延べ9回を数えます。シーズン終盤になって主軸が次々と戦線離脱してしまう事態になれば、さすがのデーブ・ロバーツ監督も不安になるでしょう。

 そんなリスクを踏まえた結果、29年ぶりのリーグ優勝、そして悲願の世界一になるべく、ドジャースは「切り札」としてダルビッシュ投手をトレードで獲得したのです。現在、カーショウが故障者リストに入っていますが、それだけが理由でダルビッシュ投手を補強したのではありません。完全にポストーズンを睨んだ戦力補強です。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る