負け数が先行でも、上位球団がダルビッシュを緊急補強したがるわけ (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 一方、調子の上がらないチームで孤軍奮闘しているダルビッシュ投手と対照的に、圧倒的な強さで邁進するチームで健闘している日本人メジャーリーガーもいます。それが、ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手と、ヒューストン・アストロズの青木宣親選手です。

 今シーズン、前田投手は開幕2戦目の先発を任されました。つまり、エースのクレイトン・カーショウに次ぐ先発2番手という評価です。昨年メジャー1年目で16勝をマークした期待の表れでしょう。

 ところが10試合の先発で4勝3敗・防御率5.16と精彩を欠き、6月上旬には先発ローテーションから外されることになりました。その後、ふたたび先発に戻るものの、シーズン前半戦の成績は16試合のうち14試合に先発し、7勝4敗・防御率4.38。先発投手として6イニング以上投げたのは3度だけという、少し物足りない内容でした。

 しかしながら、前田投手の置かれている状況は、他のチームと事情が異なります。今シーズンのドジャースは球団史上最高レベルの快進撃を続けており、シーズン前半戦はメジャートップの61勝(29敗)をマーク。オールスターまでに60勝に到達したのは、ドジャースの長い歴史のなかでも3度目の快挙です。現在も67勝31敗・勝率.684でナ・リーグ西地区を独走しています。

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