カブス上原浩治の新ポジション。「スーパーユーティリティ・リリーバー」とは? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 最後に、シカゴという街について紹介しましょう。シカゴは日本からの直行便があり、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米3位の大都市です。環境が整っているため日本人も生活しやすく、また、北米大陸のほぼ中央に位置するので、東海岸にも西海岸にも行きやすい。時差の影響もニューヨークとは1時間、ロサンゼルスとは2時間。移動の多いメジャーリーガーにとってはありがたいことでしょう。

 よって、カブスはメジャー30球団のなかでも、移動距離が一番短いのです。今シーズン、カブスのレギュラーシーズン全162試合での移動距離は2万4440マイル(約3万9104キロ)。逆にもっとも距離が長いのはシアトル・マリナーズで4万7503マイル(約7万6005キロ)。見てもわかるとおり、移動距離はなんと2分の1近くも違ってくるのです。41歳の上原投手にとって身体への負担を考えると、カブス移籍は疲労度も少なくなってメリットは大きいのではないでしょうか。来シーズン、世界一のカブスのユニフォームを着てプレーする上原投手のピッチングが今から楽しみです。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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