カブス上原浩治の新ポジション。「スーパーユーティリティ・リリーバー」とは? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 その特徴とは、上原投手は右ピッチャーでありながら、左バッターにめっぽう強いということです。実際、メジャー8年間で左バッターに対しての通算被打率は.183(右バッターの通算被打率.208)。今シーズンのデータを見ても、左バッター被打率.139に対して右バッター被打率.253と、定評どおりの結果を残しています。

 上原投手は来年4月で42歳。今シーズンのストレートの球速は平均時速86.7マイル(約139.5キロ)と、そのスピードは年々落ちています。ただ、高めのストレートと低めに落ちるスプリッターを使い分け、今シーズンの9イニングあたりの平均奪三振数が12.1個に対し、与えたフォアボールは平均2.1個。あいかわらず、驚異的な奪三振率と抜群のコントロールを擁しています。

 上原投手のカブス移籍でひとつ気になるのは、本拠地リグレー・フィールドは外野が狭く、シカゴ特有の強風の影響もあってホームランが非常に出やすい点です。上原投手は三振以外のアウトの多くをフライで打ち取る典型的なフライボールピッチャーなので、カブスの本拠地ではホームランを打たれる危険が高まるかもしれません。

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