MLB関係者も大注目。元DeNAのグリエルはいつデビューする? (6ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  時事通信社●写真 photo by Jiji photo

【10】 身長173センチ。「小さな大エース」がメジャーを席巻する?

 体格でメジャーリーガーに劣る日本人投手に、希望を与えてくれる選手が現れました。その選手とは、トロント・ブルージェイズのマーカス・ストローマンという投手です。彼の身長は5フィート8インチ、約173センチしかありません。

 近年のメジャーでは長身選手がもてはやされていて、特に小柄な右投手は興味を示されてない傾向にあります。そんな状況ですが、ストローマンは確実にメジャーで地位を確立しつつあるのです。

 2012年、デューク大学からドラフト1巡目・全体22位でブルージェイズに指名されたストローマンは、2014年5月にメジャーデビューを果たすと、いきなり11勝6敗をマーク。メジャー関係者の注目を一気に集めました。しかし、昨シーズンの開幕前に前十字じん帯を断裂してしまい、チームを長期離脱。ところが9月に復帰すると、4試合の先発登板で4勝0敗・防御率1.67という好成績を残し、ブルージェイズの地区優勝に貢献しました。

 今シーズンはレッドソックスと大型契約したデビッド・プライスに代わる新エースとして、大きな期待が寄せられています。もし、ストローマンが今シーズン20勝をマークすれば、1952年にフィラデルフィア(現オークランド)・アスレチックスのボビー・シャンツ以来となる、実に64年ぶりの「身長175センチ以下の20勝投手」となります。

 過去のメジャーでも、小柄な投手は何人かいました。近年でもっとも有名なのは、メジャー生活18年で通算219勝をマークしたペドロ・マルティネスでしょうか。しかしながら、マルティネスはマウンド上で小さく見えながらも、180センチはあったのです。近年、右投手で成功した小柄な投手となると、ほとんど見当たりません。非常に珍しい存在なので、ぜひともチェックしてください。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る