球団史上初のFA選手獲得ゼロ。ヤンキースはケチになったのか? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 出塁率と長打率を足した値の「OPS」は、近年では「最高のプレーヤーの指標」となっています。昨シーズンのハーパーは、出塁率.460・長打率.649を記録してOPSは1.109。3つの項目ですべてメジャーナンバー1の数字を叩き出しました。その結果、ハーパーは文句なしでナ・リーグMVPを受賞。まさに今、メジャー最高の選手と言えます。

 その彼が、2018年にFA権を獲得します。おそらく、ナショナルズとヤンキースの間で激しい争奪戦が繰り広げられるでしょう。一説には「10年で総額4億ドル」、「10年以上で総額5億ドル」とも言われています。ちなみに現在、メジャーの最高総額は、2014年11月にマイアミ・マーリンズと契約延長したジャンカルロ・スタントンの13年総額3億2500万ドル(約373億7500万円)です。2018年のオフには、間違いなくメジャー初の4億ドルプレーヤーが誕生するでしょう。

 ヤンキースがハーパーを獲得する最大のメリットは、2018年に彼がFAになったときの年齢が26歳という若さです。しかも左のパワーヒッターなので、ライトが狭くてホームランの出やすい本拠地ヤンキースタジアムにはまさにうってつけの存在。FA後も10年間は間違いなく活躍できる逸材なので、ヤンキースとしてはノドから手が出るくらい欲しいでしょう。

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