イチローにA・ロッド、K・ロッドも。
大記録に挑むメジャーリーガーたち
メジャー16年目を迎えるイチロー選手(マイアミ・マーリンズ)は2016年、偉大なる記録にいくつも挑みます。日本でもっとも報じられている記録は、日米通算安打数でしょう。現在、イチロー選手は日米通算4213安打。ピート・ローズの保持するメジャー歴代最多安打記録、通算4256本にあとわずかと迫っています。「ローズ超え」まで、あと44本。今シーズン中に達成する可能性は高いと思います。
昨年は日米通算安打数で「球聖」タイ・カッブを抜いたイチロー ただ、これはあくまで通過点。日米通算は参考記録なので、それより大事なのはメジャー通算3000本安打ではないでしょうか。現在、イチロー選手のメジャー通算安打数は2935本。あと65本でメジャー史上30人目の金字塔を打ち立てることなります。
2001年のメジャーデビューから10年連続でシーズン200本安打を達成したイチロー選手。ただ、2010年からは年々ヒット数を減少させています。特にここ4年間は、178本、136本、102本、そして昨年は91本と数字を下げているので、あと65本といっても決して簡単なことではありません。
一方、メジャー通算500盗塁は目前に迫っています。現在498盗塁。あと2盗塁で大台突破です。メジャー通算3000安打&500盗塁という記録は、過去メジャーで6人しか達成していません。
そして個人的に注目しているのは、メジャー通算2500試合出場という記録です。イチロー選手は残り143試合で大台に到達します。昨年は153試合に出場しているので、たとえ控え外野手という立場で今シーズンを迎えることになっても、記録達成の可能性は高いのではないでしょうか。2500試合出場を果たした選手は過去55人いますが、現役ではアレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)とエイドリアン・ベルトレ(テキサス・レンジャーズ)のふたりだけ。この記録は、長くメジャーリーグで活躍したという偉大な勲章だと思います。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)