MLB総括。岩隈久志のノーヒッターを生んだ「まさかのデータ」 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 メジャー全体のWHIP(※)を見てみると、1位はグレインキーの0.84、2位はアリエッタの0.86、3位はカーショウの0.88。WHIP1.00を切るだけでもすごいことなのに、3人とも0.90以下というのは驚きです。最終的にはアリエッタがサイ・ヤング賞を受賞しましたが、投票した全米野球記者協会の会員は、さぞかし頭を悩ませたのではないでしょうか。

※WHIP=被安打数と与四球数(与死球数は含まない)を投球回数で割った数字で、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す。WHIP1.00以下なら球界を代表する投手と言われている。

【第4位】 「最強の地区」となったナ・リーグ中地区

 これまで、両リーグともに中地区というと、「弱小地区」のイメージが強くありました。セントルイス・カージナルスのようなプレーオフの常連はいるものの、代表的な強豪チームは東地区や西地区に固まっています。その理由は、1976年にFA制度が導入されると、市場規模の大きいニューヨークやロサンゼルスにスター選手が集まるようになったからです。

 ところが今年は、予想もしなかった結果になりました。ナ・リーグ中地区1位のカージナルスが100勝62敗、2位のピッツバーグ・パイレーツが98勝64敗、そして3位のカブスが97勝65敗と、両リーグを通じて勝率上位3チームがすべて「ナ・リーグ中地区」から誕生したのです。

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