ナ・リーグ頂上決戦。「奇跡」のメッツと「呪い」のカブス、その行方は? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 しかし注目したいのは、この7試合はいずれもシーズン前半での試合だった、という点です。5月11日~14日の4連戦と、6月30日~7月2日の3連戦での結果で、すべてオールスターゲーム前の対戦でした。

 今シーズンのメッツは、7月末にデトロイト・タイガースからヨエニス・セスペデスなどバッターを次々と獲得し、貧打に泣いた打撃面を改善して生まれ変わりました。よって、「レギュラーシーズンの対戦成績は当てにならないのでは?」という意見も多く出ています。

 そしてなにより今カードは、メッツとカブスの歴史を踏まえながら見るのが、メジャーファンにとって一番興味のあることではないでしょうか。このカードはいうならば、「奇跡と呪いのシリーズ」と銘打ってもいいかもしれません。

 メッツは1962年の球団創設以来、4年連続で最下位になるなど、当初は「お荷物球団」という扱いでした。しかし1969年、ナ・リーグが12球団に拡張して東西2地区制になると、その初年度のシーズン終盤に驚異的な快進撃を見せて球団初の地区優勝を果たし、さらにワールドシリーズも制して世界一に輝きました。この快進撃は「ミラクル・メッツ」と称され、今も語り継がれています。

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