「スピード」vs.「パワー」対決。ア・リーグを制するのはどっちだ? (4ページ目)
対するブルージェイズのウリは、なんといっても「パワー」でしょう。今シーズン、メジャー最多の232本塁打を放った強力打線は、ディビジョンシリーズでも爆発しました。5試合で計8本塁打のうち、ホセ・バティスタとジョシュ・ドナルドソンが各2本、そしてエドウィン・エンカーナシオンが1本と、主軸の3人がプレーオフでも大暴れしています。
レギュラーシーズンで「30本塁打・100打点」をクリアした3人の存在は、ア・リーグを制するために欠かせません。ただ、このプレーオフでもうひとり注目してもらいたい選手がいます。それは、弱冠20歳のクローザー、ロベルト・オスーナです。
プレーオフのような短期決戦では、とにかく先に得点を奪い、そのまま逃げ切るのが理想的と言われています。ロイヤルズはア・リーグ最高の防御率を誇るリリーフ陣を擁しており、そのパターンに持ち込むことが得意です。ところがブルージェイズはディビジョンシリーズ第2戦で、左の中継ぎのブレット・セシルが左ふくらはぎを痛め、今シリーズでの復帰は絶望となってしまいました。
そこで活躍が期待されるのが、今シーズン、彗星のごとく現れた新守護神のオスーナです。メキシコ出身の20歳の右腕は、昨年までマイナーリーグのシングルAしか経験したことがありませんでした。しかし今シーズン、開幕メジャーの切符を掴むと、クローザーに抜擢されて20セーブを挙げたのです。
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