メジャー史上7人だけの快挙。イチロー日米通算2000得点の価値 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 そのなかでも一番誇りにしていたのが、「得点」の記録です。それこそまさに、「史上最高の1番バッター」と呼ばれる所以(ゆえん)ではないでしょうか。1番バッターの役割とは、まずは塁に出て、最後はホームに帰る=得点することが常に求められています。いかに多くの得点を積み重ねてきたかどうかが、1番バッターとしての評価の基準とも言えるでしょう。

 得点を記録することについて、「出塁しても後続のバッターが打たないと得点にならない」と言われもします。しかし、まずはいかなる手段でも塁に出なければ、得点することはできません。そして、ひとつでも先の塁を狙うことが、最終的にチームの得点につながります。その積極的なプレーが、ひいてはチームの勝利に貢献できることを、ヘンダーソンは誰よりも熟知していたのでしょう。だからこそ、ヘンダーソンはヒットだけでなく、盗塁や四球を地道に積み重ねることで、数々のメジャー記録を打ち立てることができたのだと思います。

 他のジャンルのスポーツでは、「得点王」という表現はメジャーなものです。しかし、野球の世界ではあまり使われません。ちなみにヘンダーソンは、メジャー25年間でリーグ1位の「シーズン得点王」に輝いたことが計5回あります。

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