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【MLB】初のタイトル奪取を狙う「打撃部門」のすごい新顔たち (6ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 ところが今シーズン、アレナドは打撃面も開花しました。シーズン前半戦だけで自己最多の24本塁打・70打点をマーク。昨シーズンは18本塁打・61打点だったので、この飛躍ぶりは驚きです。

 しかも昨シーズンは、ホームラン18本のうち16本がロッキーズの本距離クアーズ・フィールドで記録したものでした。高地で打球が伸びる本拠地以外のロードでは、ホームランわずか2本。典型的な「内弁慶」な選手でした。しかし今シーズンは一転して、ホームよりロードのほうが本塁打も打点も多く挙げています。このロードでの成長がタイトル争いに食い込んできた要因だと思います。

 メジャー3年目のアレナドは、ロセンゼルス郊外のニューポートビーチ生まれ。ただ、キューバ人の父とプエルトルコ人の母の間に生まれたキューバ系アメリカ人なので、今、メジャーを席巻するキューバ系の血をひいています。ラテンパワーがアレナドの礎(いしずえ)となっているのです。

 このように今シーズンは新しいバッターが数多く個人タイトル争いに加わっています。残りシーズン、誰が抜け出していくのか、今後の展開に注目です。

※数字は現地8月18日現在

著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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