2015.01.08

田口壮が断言。「日本人内野手はメジャーで通用する」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 田口さんもセントルイスと契約した時は?

「契約する前にセントルイスに行きましたから。行けばいろんなものが見えてきます。代理人にも契約する1年前に会って、僕の考えを伝えました。セントルイスがどんなチームなのかもリサーチしましたし、監督だったトニー・ラルーサ()についてもいろんな人に尋ねました。その結果、セントルイスが一番だということで決めたんです」
※トニー・ラルーサ…ホワイトソックス、アスレチックス、カージナルスの監督を務め、ワールドシリーズを3度制覇。監督として歴代3位の2728勝を挙げた

―― チーム選びの中で、まず重要視したのはどんなところでしたか。

「ポジションに空きがあるのか。誰とポジションを争うのか。GMがどんな考えを持っているのか。過去の選手の入れ替え方、動かし方を知ることで、どれぐらい選手思いなのかが見えてくるんです。保身に走るGMもいるじゃないですか。そういうGMのところでやるのは怖いですよね」

―― ラルーサ監督の印象は入団前と入団後では違いましたか?

「違いましたね。最初の2年間は、何を考えているのかよくわかりませんでしたが、3年目ぐらいですかね。ラルーサの後ろで野球を見ることで、彼の求めることが理解できるようになってきたんです。同時にラルーサも僕の特長を理解してくれるようになった。それでも3年かかったんですよね。やっぱり、慣れるまでに時間はかかるんです。そこを理解してくれる球団でないと、なかなか厳しいでしょうね。アメリカ人の感覚では、移籍を大きな問題と考えていません。しかし、日本人の感覚では、移籍はそんなに簡単なものではないですよね。だからこそ、しっかり考えてチームを選ばないといけないということです。代理人にすべてを任せるのは危険。そこはお金よりも、自分が身を置く環境を第一に考えるべきです」

―― このオフ、阪神の鳥谷敬選手は、一度はメジャー挑戦を表明しながら、最終的に阪神残留を決めました。

「彼の持っているポテンシャルからすれば、十分、レギュラーでやっていけたとは思います。これは僕の持論なのですが、鳥谷選手に限らず、プロ野球選手はみんなうまいですし、その中で日本代表に選ばれるような選手は特別な存在です。実力だけなら絶対にメジャーで通用します。ただ、先程も言いましたが、適応力や選手自身の覚悟、どのチームに入るかによっても変わってくると思うんです。チームにどれだけフィットすることができるか。それこそが日本人選手がメジャーで活躍できるか否かのカギだと思います」

 メジャーリーグで、日本人内野手がゴールデングラブ賞を獲得――いずれそんな日が来ることを期待したい。

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