アメリカの主砲ロンゴリアが語った「前田健太と大谷翔平」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

―― では、日本の野球についての印象は? 2009年のWBCで日本チームと試合をしていますが、日本での試合は初めてです。

「日本の選手は基本に忠実です。小さい頃から野球というスポーツに慣れ親しみ、そこからプロ野球選手になるまで、アメリカでは"リトル・シングス"と言っているのですが、小さな細かいことを含めたプレイに必要な基本的なことができている。それは、おそらく育った文化の影響があるんじゃないですかね。そして今回、私たちは"侍チーム"と対戦しているのですが、本当に多くの選手がメジャーでプレイできると思っています。体が大きくて、力の強い選手もいました」

―― 今回、8年ぶりの日米野球でしたが、今は世界大会の舞台としてWBCがあります。ロンゴリア選手はこの大会をどう感じていますか?

「私たちの持っている実力を出せる最高の大会だと思います。ただ、アメリカチームにおいてはその重要性が理解されていません。というのも、他国の代表チームは『自分を選んでくれ』という選手が列をなしているのに、アメリカチームはそうではありません。本当ならばもっと準備をしてかかるべきだと、僕は考えています」

―― 次のWBCは2017年です。今回の日本チームはそれを見据えての選出です。アメリカも今からその準備をした方がいいと?

「僕の印象では、アジアのチームはわりと選手の名前が変わらない気がしています。だから、代表チームとしての準備ができる。そうなれば、選手同士もお互いを知ることができますし、代表としてまとまりが強くなる。アメリカの場合は、いま準備をしても3年後のメンバー構成はかなり変わってしまうでしょう。これは国の違いなのです。そういう面で、もちろん準備することは大事なことですが、難しい部分でもあります」

―― 京セラドームで対戦した前田健太投手は、来年にもメジャー移籍という話があります。

「メジャーでも活躍できる投手であることは間違いないですね。今回、一緒のチームのツヨシ・ワダ(和田毅/シカゴ・カブス)から聞きました。これは前田投手ということではなく、日本のプロ野球で活躍した選手が、同じようにアメリカで活躍するのは難しいことだと。アメリカ国内の移動も慣れるのに大変だと言っていました。ただ、前田投手のピッチングは間違いなくメジャーで通用するものでした」

―― 打席に立ってみて、どんな投手という印象を受けましたか。

「まずコントロールが素晴らしい。ほとんどが低めに集まっていましたし、投げミスが少ない。真っすぐも変化球も高いレベルにある投手です。ピッチャーとして必要なものをすべて兼ね備えているピッチャーといえるでしょうね」

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