MLBポストシーズン開幕。10球団のキーマン10人 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

【ナ・リーグ】
東地区1位:アトランタ・ブレーブス(96勝66敗・勝率.593)
中地区1位:セントルイス・カージナルス(97勝65敗・勝率.599)
西地区1位:ロサンゼルス・ドジャース(92勝70敗・勝率.568)
ワイルドカード1位:ピッツバーグ・パイレーツ(94勝68敗・勝率.580)
ワイルドカード2位:シンシナティ・レッズ(90勝72敗・勝率.556)

 続いて、ナ・リーグのプレイオフ出場チームを見て行きましょう。まず、東地区を制したアトランタ・ブレーブスで注目すべきキーマンは、24歳の若き主砲フレディ・フリーマン(打率.319・23本塁打・109打点)です。今年はナ・リーグ2位タイの打点を記録するなど、シーズンを通して絶好調。また、メジャー全体2位の得点圏打率.443をマークしており、特にツーアウトからの打点がナ・リーグ2位タイの45打点を挙げるなど、とにかく勝負所で打つのです。「リーグで最もチャンスに強い選手」と言っても過言ではありません。今シーズンのブレーブスはメジャーナンバー1の防御率(3.18)を誇るなど、かつての投手王国が復活しました。よって、ブレーブスがプレイオフを勝ち進むためのカギは、3番を打つフリーマンが握っていると思います。

 一方、中地区を制したセントルイス・カージナルスで注目すべきは、キャッチャーのヤディアー・モリーナ(打率.319・12本塁打・80打点)でしょう。ご存知のとおり、今年3月のワールド・ベースボール・クラシックで日本を破ったプエルトリコ代表の主軸として、チームを準優勝に導きました。今シーズンのカージナルスの特徴は、チームの得点圏打率が.330もある点です。これはメジャー30球団でダントツの数字(2位はタイガースの.282)。まったく信じられない値です。その中でモリーナは勝負強さを発揮し、チームの地区優勝に大きく貢献しました。また、盗塁阻止率43.5%はリーグ2位と、あいかわらず守備でも大活躍しています。プレイオフという短期決戦では、相手が数少ないチャンスをものにするために機動力野球を仕掛けてくるので、相手にとってモリーナの存在は最大の脅威となるでしょう。

 また、レギュラーシーズン後半、怒濤の連勝で西地区を制したロサンゼルス・ドジャースのキーマンは、ハンリー・ラミレス(打率.346・20本塁打・57打点)です。ラミレスは今シーズン序盤、2度も故障者リストに入ったことで、わずか84試合しか出場していません。それにもかかわらず、6月4日の復帰以降はメジャートップの打率.341と長打率.628を記録するなど、とにかく調子がいいのです。また、特筆すべきは、ラミレスが得点した試合は38勝5敗という圧倒的な勝率を残している点です。ドジャースが1988年以来のワールドチャンピオンになれるかどうかは、ラミレスの活躍にかかっていると思います。

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