MLBポストシーズン開幕。10球団のキーマン10人 (4ページ目)
そしてワイルドカードに入った中地区の2チームを見てみましょう。まず、ワイルドカード1位のピッツバーグ・パイレーツでキーマンとなるのは、アンドリュー・マカッチェン(打率.317・21本塁打・84打点・27盗塁)です。走・攻・守、三拍子そろった活躍でパイレーツの勝利に貢献し、WARもメジャー全体3位の8.30を記録。21年ぶりにパイレーツが勝ち越せたのは、マカッチェンの存在なくして語れなかったでしょう。特にオールスター以降は打率.339と調子を上げているので、プレイオフでも大いに暴れ回ってくれると思います。
対するワイルドカード2位のシンシナティ・レッズからは、23歳のビリー・ハミルトン(13試合・打率.368・0本塁打・1打点・13盗塁)という選手をピックアップしたいと思います。あまり知られていないかもしれませんが、ハミルトンは昨シーズン、マイナーリーグで新記録となる155盗塁をマークした俊足プレイヤーなのです。今シーズンはマイナースタートでしたが、9月3日にメジャーデビューを果たすと、最初の11試合で13盗塁を記録しました。本来なら、8月31日時点で25人のロースターに入っていないとプレイオフ出場の資格はないのですが、特例として9月以降にメジャーに上がっても、故障者リストの選手と交代すればプレイオフに出場することができるのです。ただ、ハミルトンは出塁率があまり高くなく、今シーズンのマイナーでも出塁率.306と、スタメンに起用するには厳しいかもしれません。しかし、とにかく足は早いので、プレイオフでは代走専門として思わぬビッグプレイを見せてくれるかもしれません。まさに「秘密兵器」というべきハミルトンに、ぜひ注目しておいてください。
※成績はレギュラーシーズン終了時
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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