2013.04.09

【MLB】史上最高のクローザー、M・リベラが愛される理由

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by REUTERS/AFLO

今シーズン限りで引退するヤンキースの守護神、マリアーノ・リベラ メジャーリーグ史上最高のクローザー、歴代最多の608セーブ(2012年シーズン終了時)を記録するマリアーノ・リベラのラストシーズンが開幕した。

 華やかなはずの開幕戦。だが、4月1日(現地時間)に本拠地で開幕したヤンキースのセレモニーの場に、デレク・ジーター、アレックス・ロドリゲス、マーク・テシェイラ、カーティス・グランダーソンといったチームの顔である選手はいなかった。

 ヤンキースの一員として初めての開幕を味わったイチローが、「僕、(ヤンキースに)来たばっかりですけど、まあまあ長くいる感じになっているもんね。それぐらい野手は……」と故障者続出の現状に苦笑いを浮かべた。主力選手不在のセレモニーは盛り上がりに欠けたが、唯一、イントロダクションが中断されるほどの拍手喝采を浴びたのがリベラだった。

 昨年の5月3日。リベラは試合前の練習中に外野でフリー打撃の飛球を追った際、右膝靭帯断裂の重傷を負った。本来なら、昨シーズン限りで引退するはずだったが、「このままでは辞められない」と撤回し、今季に備えた。

 この春のオープン戦では7試合に登板し、防御率0.00。通算で7イニングを投げ9つの三振を奪うなど、43歳になった今もQuick & Late(鋭く打者の近くで変化する)カッターの威力を見せつけた。

 1996年にセットアッパーとして頭角を現し、97年からクローザーとして君臨し続けたリベラは、カッターというたったひとつの球種でメジャーリーグの打者たちを牛耳ってきた。近年はツーシームやシンカーも投げるが、ウイニングショットはあくまでカッター。その質の高さも素晴らしいが、リベラの偉大さは投げるボールだけではない。キャンプでもそれを象徴する出来事があった。