【MLB】大バケの可能性大? 本塁打王バティスタの再来なるか (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 そこに目をつけたのが、今シーズン、下位に沈んだフィリーズです。ペンスひとりに対し、フィリーズは若手3人をトレードで獲得。その中でも目玉プレイヤーが、ジョセフなのです。将来有望なキャッチャーの存在は、チームの再建に欠かせません。ジョセフが新生フィリーズの顔となる可能性は大いにあると思います。

トラビス・スナイダー(24歳/外野手)
(トロント・ブルージェイズ → ピッツバーグ・パイレーツ)

 バッターでもうひとり、チームの再建を託された若手有望株がいます。それが、トラビス・スナイダーという外野手です。

 高校時代から注目されていたスナイダーは、2006年のドラフト1巡目でトロント・ブルージェイズに入団した期待のスラッガーでした。2008年にはメジャーデビューを果たし、2009年にはMLBの『プロスペクト(将来有望な選手)トップ50』で7位にランクイン。将来のスター候補だったのです。しかし、メジャー4年間で通算28本塁打。一軍に定着することができず、今シーズンもほとんど3Aでプレイしていました。

 そんな苦しい状況の中で、急きょスナイダーにトレードの話が浮上します。そして7月31日、ブラッド・リンカーンとの1対1の交換で、ブルージェイズからピッツバーグ・パイレーツに移籍することになりました。メジャーで5年プレイしていますが、スタイダーはまだ24歳。環境が変われば、大ブレイクする可能性も大きいと思います。

 かつて、今回とは逆のケースで、パイレーツからブルージェイズにトレードされて大ブレイクした選手がいました。それが、2010年と2011年に2年連続して本塁打王に輝いた、あのホセ・バティスタです。そういった側面からも、このトレードには非常に注目しています。スナイダーは今後、どんな変化を見せてくれるのでしょうか。移籍後のスナイダーは、早くも5番ライトで出場しています。19年連続負け越しから今年、勝率5割を突破し、地区優勝を狙うパイレーツの救世主となれるのか。スナイダーの名前もぜひ覚えておいてください。

※成績は8月8日現在

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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