2012.06.28

【MLB】最多勝ディッキーのナックルボールはなぜ打てないのか?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そして2010年、セールはホワイトソックスからドラフト1巡目13位という高い評価を受けてプロ入りします。すると、マイナーでわずか11試合、計10イニングのリリーフ登板でメジャーに昇格。ドラフトからたった2ヵ月で、メジャーデビューを果たすのです。そしてセールは、ホワイトソックスが優勝を争う中、21試合に登板して2勝1敗4セーブ・防御率1.93をマーク。1年目から素晴らしい成績を残します。

 2011年もリリーフで58試合に登板し、2勝2敗8セーブ、71イニングで79奪三振を記録。中継ぎとして期待通りの活躍を見せました。ところが今シーズン、セールは先発への転向を打診されます。完全試合を達成したこともある左腕エースのマーク・バーリーが、昨年オフにFAでマイアミ・マーリンズと契約したからです。セールはその穴を埋めるべく、先発ローテーションの一角を担うことになりました。

 開幕当初、セールは先発5番手ぐらいの期待度でした。しかしフタを開けてみると、8勝2敗、そして防御率2.24(現在ア・リーグ1位)をマーク。エース級の大活躍です。198センチの長身から投げ込まれるストレートで三振を量産し、さらにスライダーやチェンジアップも一級品。特に左バッターは、スリークォーターから放たれるボールにまったく手が出ません。

 6月22日、対戦相手のミルウォーキー・ブルワーズは、スタメンをほぼ右バッターで揃え、セール攻略を試みました。しかし、それでもセールは8回を無失点と、ブルワーズ打線をシャットアウト。唯一、左バッターでスタメンだった好調の青木宣親選手でさえも、さすがに打てませんでした。最強左腕と呼ばれたランディ・ジョンソンを彷彿とさせる23歳のセールは、後半戦も必見です。

関連記事