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【MLB】松井秀喜と松坂大輔。
『早期昇格』は選手生命を脅かす (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by AFLO

 22日の登板を最後に30日間のリハビリ・アサイメントが終了するが、延長することは可能だ。事実、チームと松坂の間でその策は検討されている。また、14日にフェンウェイパークでマリナーズの川崎宗則と会った際、松坂は言った。

「来月に戻ってくるから」

 一方の松井は、メジャーを保証する項目は契約の中に一切ない。マドン監督も当初は「3Aの結果を見てからだ。松井がメジャーでプレイできる準備が整った時点で、我々のチームがどうなっているかだ」と語っていたが、レイズの外野手事情はあまりにも寂しい。

 正左翼手のジェニングスが故障者リスト入りしただけでなく、控え外野手の人材は固定さえできない。マイナーとメジャーを行き来する選手の補強をいまだに繰り返している。代打要員の人材も欠いている現状を考えると、松井をすぐにでも昇格させたいところだろう。3AダーラムのバーリングGMも、「レイズに故障者が続出している。マツイの昇格は早いかもしれない」と語ったばかりだ。

 一刻も早くメジャー復帰を果たしたい松井にとっては朗報ともいえるが、それでも急ぐことはないと思う。松井本人にスロースターターの自覚はないようだが、これまでスタートダッシュは見たことがない。さらに今年は、キャンプにも参加しておらず、いくらひとりで練習に励んでいたとはいえ、調整不足は明らかだ。昨シーズンのように序盤での不振が続けば、すぐに解雇されても不思議ではない。

 松井も松坂も、早期復帰を望む声が多いが、焦りは禁物だ。チーム事情での早期昇格は命取りになりかねない。とにかく、来るべき日のためにじっくり備えてほしいと切に願う。

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