2012.04.09

【MLB】ヤンキース初登板6失点KO。
黒田博樹が浴びたア・リーグ東地区の洗礼

  • 水次祥子●文 text by Mizutsugi Shoko
  • photo by AFLO

ヤンキースでの初登板は6回途中6失点とほろ苦いデビューとなった黒田博樹 1回表、ヤンキースの攻撃が終わると黒田博樹はゆっくりとマウンドに向かい、真っ直ぐに背筋を伸ばしてその場に立った。

 現地時間4月7日の今季初登板、初めてヤンキースのユニフォームを着て投げる新天地でのデビュー戦だった。ヤンキースは敵地・トロピカーナフィールドで開幕を迎え、エース左腕C.C.サバシアに続いて新加入の黒田を2戦目のマウンドに送り込んだ。

 その開幕戦ではサバシアが満塁弾を浴びるなど乱調で、9回には1点リードで登板した守護神・マリアノ・リベラもセーブに失敗してまさかの敗戦を喫した。黒田はリーグも対戦相手も球場も何もかもが初めてで、ただでさえ神経を遣うところを、開幕戦の嫌な負けから流れを変えなければならないという、重要な任務まで負うこととなった。これまで経験したことがない緊張感が黒田を襲った。

 さらに追い討ちをかけるように、1回の先頭打者・ジェニングスを内野ゴロに打ち取ったはずが、この日ショートでスタメン出場した控え内野手のヌネスが捕りそこない、いきなり走者を背負ってしまう。そのせいか、黒田はこれまで見たこともないほど長く間合いを取り、一塁へ何度も牽制球を投げた。

「ちょっと慎重になり過ぎた。自分の中で怖がって、コースを突き過ぎてしまったのが、ボールになってしまったという感じだった」(黒田)

 持ち前の制球力が失われ、1回だけで2四球を出した。メジャーに移籍してから9回平均与四球がわずか2.1だった投手には、あり得ないほどの乱調。まさに自滅だった。