【MLB】ダルビッシュが挑むア・リーグ屈指のバッターたち (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 一方、マウアーは昨年、ケガで不本意なシーズンを送ったものの、2006年・2008年・2009年と4年間で3度も首位打者に輝いたア・リーグを代表する左バッターです。プホルス、イチロー選手に次ぐ通算打率.323を記録し、さらに長打率も非常に高い。特にレフト方向に打つ技術はトップクラス。打球の半数近くをレフト方向に打ち、その場合の通算打率は.441、通算長打率は.686という驚異的な数字を残しています。対戦チームの外野陣も左寄りにシフトしているのですが、マウアーには通用しません。難なく野手の間を抜いていきます。『ダブルマシーン(二塁打製造機)』と呼ばれ、昨年投手三冠に輝いたジャスティン・バーランダー(タイガース)も「ギリギリまでボールに食らいついて芯に当てる技術は圧巻」と絶賛。ダルビッシュ投手は巧者マウアーを抑えることができるでしょうか。

 このようにア・リーグには、ピッチャーを震え上がらせる猛者たちが集結しています。そんなメジャーを代表するバッターたちをダルビッシュ投手が抑えれば、評価はうなぎ上りとなるでしょう。ぜひともダルビッシュ投手には、1年目から大活躍してもらいたい。はたして、ダルビッシュがどんな投球を見せるのか、想像するだけで今から心が躍ります。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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