【夏の甲子園2026】外野ノックもできない両翼40メートルの練習場 それでも英明が"攻める守備"を磨けた理由 (2ページ目)
【慣れないポジションで広がった視野】
じつは松本は、春の選抜でもけん制で走者を刺し、ピンチを切り抜けている。
東北(宮城)との2回戦で先発を任されたのは、1回戦では二塁を守っていた松本だった。9回107球を投げ抜き、9安打を浴びながらも3失点に抑え、チームを準々決勝へと導いた。
3回、4回と立て続けにけん制で走者を刺し、試合の流れを手繰り寄せた松本は、こう振り返った。
「チームでやったミーティングどおりのプレーです。サインが出たので、気負うことなく、いつもどおりにできました。けん制でランナーをアウトにできれば、試合の流れをこちらに引き寄せられると思います。そういう細かいプレーができるところが、自分の強みです」
少年時代、松本には三塁や外野を守った経験もあるが、基本的には投手としてプレーしてきた。二塁を守るようになったのは、昨秋からだという。
コンバートを勧めた英明の香川純平監督は言う。
「松本はバッティングがいいので、野手でも使いたいと思いました。身のこなしを見ていて、セカンドもできるんじゃないかと考えたんです」
それまで経験のなかった二塁守備について、松本は「わからないことだらけだった」と語る。
「守る位置もよくわからないし、打球の捕り方や感じ方も難しかったです。マウンドとセカンドでは、見える景色がまったく違いますから。特に最初はダブルプレーの動きがよくわからなくて、タイミングもつかめませんでした。『セカンドって、こんなに難しいんだ......』と思いましたね。実際に守ってみて、ピッチャーは投げるだけじゃダメなんだと、あらためて感じました」
二遊間を組むショートの池田隼人は言う。
「松本は頭がいいので、一度言えばすぐに覚えてくれました。内野手とピッチャーでは動きも感覚も全然違うんですけど、練習や試合では、場面やバッターに応じて、しっかりコミュニケーションをとりながらやっています」
新チーム発足後に組んだ二遊間が、最初からうまくかみ合ったわけではなかった。
「ミスをしても、同じことを繰り返さないようにしてきました。最初は失敗も多かったんですけど、それがよかったんだと思います。その経験が、今の成功につながっているので」
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