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【夏の甲子園2026】150キロ全盛時代に現れた"精密機械" 佐野日大・鈴木有が130キロ台の速球でも強豪を封じられるワケ (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Tomohiro Motonaga

【鈴木有を支える最大の武器】

 試合後、神村学園の小田監督は敗因についてこう語った。

「鈴木くんは、バッターが打ちたくなるところから、変化球をうまく曲げてきました。それに手を出して打たされることがないようにしたかったんですけど、力んでしまって、打ち損じが多くなりました」

 鈴木は177センチ74キロ、龍頭は170センチ63キロ。体格こそ違うものの、両エースの投球スタイルはよく似ている。130キロ台のストレートに多彩な変化球を織り交ぜ、制球よく投げ分ける。鈴木は甲子園で14イニングを投げて、与えた四球はわずか1。一方の龍頭は、この甲子園で四死球をひとつも与えなかった。

 龍頭を好リードで支え、打っては鈴木から2安打を放った神村学園の捕手・川本羚豪(れいごう)は、両エースをこう分析する。

「龍頭さんは"精密機械"と言われるくらいコントロールのいいピッチャーですが、鈴木投手も"精密機械"でしたね。ストレートも変化球も、ストライクゾーンの四隅にしっかり投げ込んでくる。本当に嫌なピッチャーでした。僕が打ったのは外角に逃げるスライダーでしたけど、どのボールも一級品ですごく打ちづらかったです」

 2試合続けてしびれる投手戦を制した鈴木は、9回に迎えたピンチの場面をこう振り返った。

「9回にランナーをふたり出しましたが、バントがフライになって、ひとつアウトを取れたことで気持ちに余裕が生まれました。あの時は、ベンチから『高めに投げてフライを上げさせろ』というサインが出ていました」

 最後まで鈴木を支えたのは、最大の武器であるコントロールだった。

「自分のなかで一番自信があるのはコントロールです。小さい頃から、キャッチボールでは相手の胸に投げることを心がけてきました。麦倉洋一監督から言われた『コントロールで勝負しろ』という言葉が、今の自分に生きています」

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