検索

【夏の甲子園2026】「ウチを選んでくれるのは『Bランク』の選手たち」 八幡商が15年ぶり甲子園をつかんだ"名門復活"の舞台裏 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 名門から声がかからなかった選手たちが、どのようにして甲子園出場を勝ち取ったのか。キーワードは「守備」である。堅い守備で失点を防ぎ、粘り強く勝機を探る。昔ながらのスタイルだが、小川監督は「勝てる野球になってきた」と手応えを深める。

「選手たちは自分たちの能力をしっかり分析して、『できることは何か?』を整理しています。高校野球での勝ち方を理解して、実行してくれました」

 戦い方を学んだチームがある。2024年夏に全国制覇を果たした京都国際だ。小川監督は「低反発バットでの勝ち方を気づかせてもらった」と明かす。

「5〜6回は練習試合をさせてもらいました。投手が抑えて、守備でしっかりと守って、足を絡めて点を取る。京都国際さんから学ばせてもらいました」

 投手陣を支えたのは、田上晴也(3年)、久保田渓五(2年)、高木大世(3年)の3投手。とくに田上は最速145キロを計測し、卒業後は強豪大学に進学予定の本格派右腕だ。

 現在は身長183センチ、体重80キロと立派な体躯を誇る田上だが、大津市立日吉中の軟式野球部に所属した中学時代は、身長が170センチにも満たなかった。それでも、小川監督は田上をスカウトしている。

「お兄ちゃん(航/青森大)も大きかったし、お父さんも大きいから、彼もきっと大きくなるだろうと予測しました。体重も高校で20キロ以上増えているんじゃないですか」

 もうひとりの中心格である2年生左腕の久保田も、中学時代は彦根市立稲枝中の軟式野球部でプレーした。田上、久保田とも軟式出身の、まさにたたき上げの投手陣である。

 滋賀大会では、昨夏の代表校である綾羽を準々決勝で破って勢いに乗った。準決勝では滋賀短大付に3対2で競り勝ち、決勝は彦根総合を6対2で破った。

【八幡商が踏み出した新たな一歩】

 15年ぶりの甲子園。8月7日の健大高崎(群馬)との試合前、小川監督はこんな思いを語っている。

「昨日も練習していて、町の方からたくさんの声をいただきました。子どもたちも応援されている雰囲気を感じていると思います。今日は地元からたくさんの応援が来ると思うので、力に換えてもらいたいですね」

3 / 4

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

キーワード

このページのトップに戻る