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【夏の甲子園2026】「ウチを選んでくれるのは『Bランク』の選手たち」 八幡商が15年ぶり甲子園をつかんだ"名門復活"の舞台裏 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

「商業高校イコール就職のイメージがありますが、進学する生徒も多いです。指定校推薦が充実している商業高校だって多いですよ。資格試験で取得した実績を生かして、小論文と面接で受験できる大学もあります。中学校を回って募集活動する時は、その点を強調しています」

 堅守が光るレギュラー遊撃手の山口琉希(2年)は、「文武両道」に惹かれて八幡商への受験を決めている。

「ただ野球が強いだけではなく、勉強もしっかりできる高校に行きたかったんです。八幡商なら進学に有利だし、就職の求人もたくさんくると聞いて魅力に感じました。県外の高校からの誘いもあったんですけど、地元の八幡商に行こうと決めました」

 センターラインを固める小林大佑(2年)も「進路の幅が広がる」と商業高校の魅力を語る。簿記2級を取得し、現在は1級の検定に向けて勉強中だという。

「父が八幡商の野球部OBで、いろいろと学校について教えてもらいました。父の時代よりいい選手は集まらなくなっていますが、今の自分が甲子園を目指すにはいい学校だと思いました」

 小林は身長165センチ、体重60キロの小兵である。近江や滋賀学園といった県内トップクラスの強豪から声がかかる存在ではなかった。小林は「チャレンジャーという感覚です」と語る。

【明徳義塾中から八幡商へ来た理由】

 チームの主砲である辻井煌大(こうだい/3年)は、かなり特殊な経歴だ。中学時代は明徳義塾中(高知)でプレー。しかし、高校はそのまま明徳義塾に進学しなかった。

「高校で通用する自信がなかったんです。そんな時に『地元で甲子園を目指せるところがあるよ』と八幡商の存在を教えてもらいました」

 明徳義塾中では寮生活を送り、八幡商では自宅から通学している。辻井はそれぞれのよさがあったと振り返る。

「親元を離れて寮生活を送ったことで、仲間たちと密なチームワークを築けました。今は自宅から通っていますけど、近所の人や市内の人から温かい声をかけてもらって、『支えてもらっているな』と実感できます。この人たちのために野球をやろうと、原動力になっています」

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