【高校野球】U−18合宿で異彩を放ったふたりの原石 沖縄のロマン砲・長山武蔵&宮崎の守備職人・高田瑛大とは何者か? (3ページ目)
身のこなしは滑らかで、機敏。グラブさばきも柔らかく、難しい打球も包み込む。トリッキーな動きも自在にこなし、本職の二塁手のようだった。菊池涼介(広島)や田中幹也(中日)の系譜に連なる内野手だろう。あるスカウトは「守備はずば抜けているね」と太鼓判を押した。
高田に守備のこだわりを聞くと、「呼吸を大事にしています」という独特の答えが返ってきた。
「守っていて、焦りたくないので。ピッチャーがボールを離す瞬間には、息を出しきった状態にしています。すると自然に重心も下がって、一歩目をスムーズに切れますから」
あどけない顔つきだが、言葉からは職人のムードが漂っていた。
ただし、複数のスカウトから「大学進学と聞いている」という情報を耳にした。進学先と噂された大学は内野手育成に定評があり、堅実な進路選択に思えた。ところが、念のため本人に確認してみると、意外な返答があった。
「じつは今年に入って大学はお断りして、プロに挑戦したいと考えています」
たとえ育成ドラフト指名でも、プロに進む意向を示している。周囲からは反対の声もあったそうだ。それでも、高田は自分の意志を曲げなかった。
【母校の先輩・山本由伸を超える選手に】
近年はプロ側の見切りも早くなり、たとえドラフト上位指名を受けても若くして現役引退を余儀なくされる選手も多い。有望な高校生が早々に大学進学を決断するケースも目立っている。そんな潮流に逆らい、プロを目指す理由はどこにあるのか。そう尋ねると、高田はてらうことなく答えた。
「上のレベルで野球がしたいですし、小さい頃からの夢なので。どんな順位で入ろうと、努力次第で変わってくると思います。最終的には山本由伸さん(ドジャース)を超えるような選手になりたいです」
都城はかつて甲子園を沸かせた古豪というだけでなく、今や世界的野球選手になった山本の母校としても知られる。山本もドラフトの順位は4位と高くはなかった。高田があえて退路を断ったのも、偉大な先人の背中を追いかけたい願望が大きかったのだろう。
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