【夏の甲子園】大谷翔平、菊池雄星を育てた指揮官も認める花巻東・藤原凛人のポテンシャル (3ページ目)
消化不良の高校生活と言ってしまえば、それまでかもしれない。だが、のちに「必要な3年間だった」と振り返る時間になるはずだ。
偉大な先例もある。今季ルーキーながら19ホールドと活躍する西舘勇陽(巨人)は、高校3年夏の甲子園は打ち込まれて初戦敗退を味わっている。その後、西舘は中央大での4年間を経て、ドラフト1位指名を勝ち取るほどの投手に成長した。
最後に佐々木監督は、思いを込めてこんなメッセージを送った。
「藤原はここがゴールの選手じゃないことだけは間違いありません。この先、まだまだ可能性を秘めている選手ですから、大学に行っても期待し続けたいですね」
野手として三振、三振、三振、ニゴロ。
それは黒歴史ではない。いつか「藤原凛人の伝説」として、2024年の夏が語られる日が来る可能性は十分にある。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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