東都二部リーグにドラフト候補がズラリ! 甲子園を沸かせたスターから急成長の新鋭まで逸材多数 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 試合をつくれる投手──そういう表現があるが、岩崎ほどこの称号にふさわしい能力を持っている投手はほかにいないだろう。投げるボールをコントロールし、試合の行方をコントロールできる投手は、間違いなく自分自身もコントロールできるはずだ。これからの成長が楽しみでならない。

 東洋大には、ほかにもドラフト候補に挙がってくる可能性を秘めた投手が控えている。

 一條力真(右投左打/常総学院)の勝負球であるフォークは、間違いなく一級品。ストレートと同じ腕の振り、同じ軌道から、ホームベース上で大きく落下する。東都の二部リーグナンバーワン打者との呼び声が高い立正大の飯山志夢(外野手/右投左打/中央学院)ですらガタガタにスイングを崩された130キロのフォークは、まさに"魔球"クラス。

 ただ、このフォークを使えるカウントまでどうやって持ち込むか......そこが一條の課題だろう。リリーフ登板した際、7球の投球練習でストライクが少ない。それは本番での投球にも影響するだろうし、なにより球審に"マイナスの先入観"を刷り込みかねない。準備段階から丁寧さを心がけたい。

 まだ短いイニングしか見ていないが、アベレージで145キロ前後をマークする柿本晟弥(右投右打/東洋大姫路)のストレートの強さは、球場に響き渡る捕球音から容易に想像できる。ボールの強さは見ているだけではなかなか伝わらないが、打者の反応を見れば一目瞭然だ。とくにインコースに対して、バットを折られるのを恐れてスイングが緩んでしまう。柿本が投げるインコースの球にスイングを緩めた打者を何人も見てきたことからも、ボールの強さがわかる。

【無名の投手がドラフト候補に】

 昨年までほとんど知らなかったが、立正大の梅田健太郎(右投右打/横浜隼人)のピッチングを見て「こんなすごい投手がいたんだ」と驚いた。

 4月10日の東洋大戦、立ち上がりから140キロ前後のストレートで次々と空振りを奪っていく。最速でも143キロだが、間違いなく打者は表示以上に速く感じているはずだ。この春、メンバーのほとんどが入れ替わった東洋大打線だが、それでも高校時代から注目された精鋭たちがズラリ居並ぶ。にもかかわらず、ふた回りしても差し込まれっぱなしで、ミートする打者はいない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る