山本昌が解説するセンバツで光った10人の好投手 「早い段階にプロで活躍できる」「こんなサウスポーがいたのか」と絶賛したのは? (10ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

敗れはしたが、高知打線を7回まで無安打に抑えた履正社の福田幸之介敗れはしたが、高知打線を7回まで無安打に抑えた履正社の福田幸之介この記事に関連する写真を見る

福田幸之介(履正社/180センチ・77キロ/左投左打)

甲子園で初めて存在を知りましたが、こんなサウスポーがいるのかと驚きました。オーソドックスなフォームですが、体に力があってボールの角度もいい。チェンジアップもハイレベルです。高知高を7回までノーヒットに抑えたのもうなずける実力でした。気になる点を挙げるなら、軸足(左足)のヒザが早めに折れて体重移動しているところ。マウンドの傾斜を利用して、体重移動しながら自然にヒザが折れていくならいいのですが。エネルギーをロスすることなく利用できるようになれば、ボールがさらに伸びるようになるはず。そうなれば手のつけられない投手に成長するでしょうね。

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今春のセンバツはWBCがあったせいか、大きく報じられる投手は少なかったように感じます。でも、こうして見ると前田くんを筆頭に、将来楽しみな投手がたくさんいました。報徳学園の2年生投手など、下級生にも楽しみな好素材が育ってきています。分析しながら、日本球界の未来は明るいなと感じました。これから夏にかけて、さらなる好投手に出会えることを楽しみにしています。

『離島熱球スタジアム』 鹿児島県立大島高校の奇跡

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【著者名】菊地高弘
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プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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