2022.02.07

神奈川の無名公立校にビッグな「二刀流」出現。スカウトも「大化けの可能性あり」と注目

  • 大友良行●文・写真 text & photo by Ohtomo yoshiyuki

 野球では無名の神奈川県立藤沢清流高校に、いま話題の"二刀流"がいるという。

 彼の名は木島直哉(左投左打)。185センチ、89キロの大型選手だ。チームのなかにいても、頭ひとつ抜けていて、まさに大谷翔平(エンゼルス)を彷彿とさせる。

 大型左腕だけに、ボールに角度があって、球質もいい。加えてコントロールもある。そんな逸材がいればチームは強くなる。

1年秋からチームの主軸を担う藤沢清流の木島直哉1年秋からチームの主軸を担う藤沢清流の木島直哉 この記事に関連する写真を見る

【こんな逸材が入学してくるとは】

 もともと藤沢清流は、毎年地区大会で結果を残すことができず、仮に勝ち上がって県大会に出場できたとしても1、2回戦で敗退してしまう弱小チームだった。それが2018年夏の南神奈川大会でベスト16。翌年春の県大会では強豪・慶応高校に2対0で勝利するなど、ベスト8進出に進出し、創部初めて夏の県大会のシード権を獲得した。

 当時、中学生だった木島は名古屋の軟式チーム・FBクラブで「4番・一塁」として活躍しており、慶応撃破のニュースを知り「高校野球は神奈川で」と、藤沢清流への進学を決めた。父親の東京転勤もあり、東海地区の強豪校のスカウト網に引っかからなかったことが、藤沢清流としてはプラスに働いた。

 藤沢清流の榎本正樹監督は、木島の魅力についてこう語る。

「まさかこんな逸材が入学してくるとは......でした。左投げということと、大きなサイズが魅力です。バランスよくゲームをつくれる投手で、バッティングもすばらしいものを持っていて、将来はチームの柱になるということは、入学時から容易に想像できました。とにかく壊さないように、本人とコミュニケーションをとってやっています。この冬は躍動感と力強さを求めての練習がメインでした。しっかり育てて、上のステージでできるようにと思っています」

 1年夏は、コロナ禍の影響で独自大会だったこともあり3年生中心のメンバーで戦ったため、出場機会はなくベンチを温めるだけだった。その後も1学年上に経験ある投手がいたので、1年秋、2年春は「4番・一塁」として出場することがほとんどだった。