ドラフトの指名漏れから4年。佐渡島出身初のプロ野球選手へ、桐蔭横浜大・菊地大稀にスカウトも高評価 (2ページ目)
1年秋は右ヒジのクリーニング手術。リハビリ期間もあり、3年春はコロナ禍の影響によりリーグ戦中止。3年秋から登板するようになったが制球が不安定だった。
横浜商科大戦では完投勝利を挙げ、最速148キロを記録したが、四球も多く、かなりの球数を要した。また、初めてリーグ戦を通して投げるなかで、体力不足を露呈するなど、2勝に終わった。
そのため冬場は体力強化に努め、年明けも緊急事態宣言でチームの始動は遅れたが、菊地は早々に帰省から戻り、体をいじめ抜いた。
しかし、春季リーグ戦開幕前の3月に右足首の靭帯を痛めた。結局、リーグ戦では2試合に登板しただけで1勝に終わり、全日本大学野球選手権では先発を任されたが、6回途中5安打2失点で初戦敗退となった。
ドラフト指名にも黄信号が灯ったが、そこから菊地の意識が変わった。
投手数人が齊藤監督の紹介でパーソナルトレーナーのもとを訪れたのだが、菊地はその後も自費で継続的に指導してもらうことになり、体の使い方が格段によくなったという。
「後ろに力をためること」を意識したフォームは、足を上げてから一度止まるような二段モーションのような動きが功を奏し、制球力の安定につながった。
すると、そこから見違えるようなピッチングを続け、スカウトの評価も急上昇。
「どうしてもプロ野球選手になりたい」という気持ちの裏には、故郷への思いがある。菊地は言う。
「佐渡島からでもプロ野球選手になれるんだ、ということを証明したいんです。人口が減っているなかで、少年野球チームの数も少なくなっている。僕がプロで活躍することで、野球をする子どもが増えてくれたらと思っています」
その夢を叶えるためには、ドラフトで指名されなければならないが、高校時は「育成指名なら大学進学」としていたが、今回は育成でもOKとしているため、その可能性は一気に高まった。運命の時は刻一刻と迫っている。
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