2020.11.14

東北大会で公立校が強豪を次々撃破。
急成長したエースが魂の500球

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Taguchi Genki

 準々決勝の東日本国際大昌平(福島)戦は9回途中5失点と粘りのピッチングを披露し、準決勝の日大山形戦では大会初完封。エースの快投がチームに勢いをもたらしたのは言うまでもない。

 例年どおりなら、東北地区の一般選考でのセンバツ出場枠は2校だ。準優勝の柴田は悲願の甲子園出場に大きく近づいているが、安泰ではない。というのも、同じ宮城の仙台育英に決勝で大敗し、その仙台育英と準決勝で戦った花巻東(岩手)は0対1と接戦を演じたからだ。

 そうはいっても、仙台育英との決勝戦は谷木が"球数制限"により先発のマウンドに立てず、不完全燃焼に終わっている。もし制限がなく最初からエースが投げていれば......そんな「たら・れば」だって、選考要素に加えられたっていいのではないだろうか。いずれにしても、「春夏通じて甲子園出場がない公立校」という立ち位置は、大きなアドバンテージになるはずである。

 なにより期待したいのが、公立校の絶対エースの伸びしろである。現在、スライダーは改良中であり、新たな変化球だって生まれるかもしれない。投球フォームにしても、試行錯誤を重ねてより安定する"形"を手にすることだろう。

 ひと冬越え、さらなる変化を遂げた谷木が憧れのマウンドに立つ姿を、ぜひとも見てみたいと思う。

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