「群馬2強」は圧倒的戦力。プロ注目や全国クラスの選手が揃っている

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
群馬編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を行なうことを決めた。群馬は「2020年 群馬県高等学校野球大会」が7月18日に開幕する。白熱した戦いが繰り広げられるなか、活躍が期待される好選手たちを紹介したい。

8月開催の「センバツ交流戦」にも出場する健大高崎のエース・下慎之介8月開催の「センバツ交流戦」にも出場する健大高崎のエース・下慎之介 2013年から、夏の甲子園の群馬代表は前橋育英と健大高崎の2校が占めている。まさに"2強"状態だ。そして今年も、その構図は変わらない。

 なかでも健大高崎は、歴代チームのなかでも最高ではないかと思うほど戦力が揃っている。まずセンターラインだ。

 捕手の戸丸秦吾、二塁手の小澤周平(2年)、遊撃手の橋本脩生(しゅい)、中堅手の戸沢昂平のセンターラインは、打球の処理だけじゃなく、連係プレーや走者の動きを見ての状況判断など、ディフェンスの総合力は超高校級といえる。

 そんな手堅いバックに守られてマウンドにたつのは、183センチの大型左腕・下慎之介(しも・しんのすけ)。鋭い腕の振りからスライダー、カーブ、スプリットといくつもの勝負球を身につけ、昨年秋からメキメキと頭角を現した。ストレートも最速145キロに達し、全国クラスの左腕へと成長を遂げた。

 下以外にも、191センチの橋本拳汰、184センチの桜井秀太という大型右腕もいて、万全の状態で夏を迎えられそうだ。

 前橋育英だって、選手個々の能力、将来性なら負けていない。

 武藤翔也、菊池楽のふたりの左腕を擁し、昨年夏の甲子園で見せた高精度のスローイングとリーダーシップですでにプロから熱視線を浴びた捕手の須永武志など、健大高崎に負けるとも劣らない戦力を持っている。

 そんな前橋育英でもっとも注目しているのが、2年生の外野手・皆川岳飛(がくと)だ。181センチ、78キロという均整のとれた体から、圧倒的なスピードとパワーを持ち合わせる三拍子揃った選手だ。すでに野手では、"県下No.1"の逸材と見ている。

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