甲子園常連校監督がコロナ不安を吐露「3年生の進路にどう影響するか」 (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Kyodo News

「ひとりでも帰りたいという生徒や保護者の方がいれば考えたのですが......。みんな夏に向けて思いを強くしたところだったので、こういう結果になったのかもしれません」

 出場するはずだったセンバツが中止となり、チーム全体がモチベーションを維持することは簡単ではなかったが、夏に向けて気持ちをリセットし、再出発を図ったところだった。

 だが、全体練習は行なわず、個々で体を動かすことにとどめた。練習試合もすべて中止となり、個人練習も1日2時間程度。寮に隣接する室内練習場で、各自でストレッチやランニング、2人1組でのティー打撃など、団体になることを避けて練習を行なっている。

 ただ、それ以外の時間は寮に缶詰状態。スタッフが借りてきた映画のDVDを見たり、昼寝したり、また、休校中は学校から宿題も出ているため、各自で勉強する時間を設けるなど、工夫しながら過ごしている。予期せぬ事態に戸惑いもあったが、それでも中村監督は前を向く。

「夏に向けてもそうですが、コロナウイルスに負けず、みんなで頑張ろうという意識もあると思います。試合ができないので、3年生の進路にどう影響するのかが心配ですが、今はこの状況をまず乗り切ることだけを考えています」

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