車イス生活の仲間のためにも。滋賀大会で連戦好投→怪腕の評価が急上昇 (4ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 伊香高校の校舎は小高い丘の上にあり、最寄り駅から徒歩15分ほどの距離にある。毎日、野球部員が二人一組になって、山本の車いすを押しながら通学、下校している。隼瀬も週に何度も山本の送り迎えをし、その間、いろんな会話をするのだという。

「今はクラスが違うので、逆に会話が弾みます。自分がこうして野球をできることに感謝することもそうですが、陸の人間性に触れて気づかされることが多いんです」

 いよいよ、最後の夏に向けた戦いが始まる。隼瀬は「このチームを勝たせるピッチャーになりたい」と言い切った。陰でチームを支えてくれる仲間のためにも、夏こそは自らの右腕でチームを甲子園に導く。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る