ロッテ種市の元ライバル・八戸学院大の中道佑哉が屈辱を糧に急成長! (5ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

「ストレートの球速は140キロを超えていましたから、素材がいいのはわかっていたんです。あとは体にどれだけ筋肉をつけて、どれだけのボールを継続して投げられるか。1球だけすごい球を投げたって、あとがダメだったら意味がないわけです。ベストボールをどれだけコンスタントに投げられるかは、常にピッチャーの課題ですから。中道は、その体力は1、2年の時はありませんでした。

 あと、思いの強さも感じなかったかな。おそらく『高橋さんもいるし、大道もいるし、自分は投げる機会はないから』って感じていたと思うんです。でも『3年になったら、お前らふたり(大道と中道)だぞ』と言ってね。そこで少しずつ強くなっていったんだと思います」

 2年秋を迎えると、リーグ戦でもリリーフとして起用されるなど徐々に頭角を現すようになる。高橋が抜けた3年春は、大道と並び先発の柱に成長。2019年春の北東北大学野球リーグでは5勝0敗の成績を挙げ、同リーグのベストナインにも選出された。

 そして意気揚々と乗り込んだ冒頭の全日本大学野球選手権で、中道は全国の壁にぶち当たった。

「あの(サヨナラの)場面、見ている人からすれば『何をしに来たんだ』って思ったかもしれないです。当然ですよね。出るからにはしっかり抑えたい気持ちもあったし、抑えていれば『ナイス継投』で終わった話かもしれない。だから、これからもっと力をつけて、次こそは抑えられるようにと思いながら練習しています」

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