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大阪桐蔭が屈辱の1年をバネに勝利。
履正社相手に伝統の粘りを見せた (6ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 大阪桐蔭にしてみれば、この試合に敗れると一気に履正社に覇権を奪われてしまうという危機感を持っていたはずだ。しかし、踏ん張った。試合後の西谷監督は、ややホッとした表情で熱戦を振り返った。

「さすが履正社さんといいますか、すんなり終われなかったのですが、そこで粘れたというのは、新チームにとって大きな財産になったと思います。去年とは逆の立場で、『今日はオレたちが勝たないといけない』と言って、ゲームに入りました。本当に1ミリぐらいの差で勝てたかなと思います。

 勝ちに飢えていて、悔しさ、勝ち切りたいという思いが、このチームの原動力。1年間甲子園を逃して、絶対に自分たちが出るという強い思いを持ってやってくれている。それが今回の大阪大会ではこういう形となったということです。またここからです」

 新チームとなっての第1ラウンドが終わり、今日から近畿大会が始まる。大阪桐蔭は1日目の第3試合で滋賀2位の立命館守山と、履正社は大会3日目の第2試合で滋賀3位の綾羽と対戦する。

「1年間甲子園に行けなかったので、来年の春は何があっても甲子園です」と井が表情を引き締めれば、関本も「近畿大会になれば大阪の1位も2位も関係ない。とにかく勝って、神宮大会、センバツに出られるようにしっかり準備したい」と力強く語った。

 次はどんなドラマが用意されているのか。"大阪2強"の新たな戦いが始まった。

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