狙うは「ドラ1指名」。BC新潟のエースが明かす意識改革のプロセス (3ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

 そして迎えたシーズン開幕。長谷川は直前のブルペンで腰を痛め、少々出遅れてしまった。幸い大事には至らず、4月27日の群馬戦で実戦復帰。徐々に状態を上げていくと、5月6日の武蔵戦では9回106球を投げて、被安打4、四死球1、失点1(自責点0)で完投勝利。16日の栃木戦でも7回82球を投げて、被安打1、四死球0、失点0、奪三振8という完璧なピッチングを披露した。

 昨年のシーズンオフから取り入れた初動負荷トレーニングの効果も感じている。体の可動域を広げ、筋肉を使わずに自然と押し出される感覚をつかんだことで、ストレートの質の向上につながった。

「昨年までは空振りが取れない真っすぐを投げていたんですけど、今年は真っすぐで空振りが取れたり、見逃しを奪えたり......バッターの反応も見られるようになりました。そこは進化できているところだと思います」

 普段の長谷川は、発言のインパクトからは想像もつかないくらい純朴な青年だ。質問に対して、真摯に受け答えする姿はとても好感が持てる。

「過信せず、慢心することもなく、あくまで謙虚な姿勢で、今年は地に足をつけてやっていけたらと思います」

 また大胆な発言の裏には、リーグを盛り上げたいという思いもある。

「そういう選手がいるんだって、BCリーグを見に来てくれる方もいるでしょうし、そういう人の目があればあるほど、自分にもっとプレッシャーをかけられると思うんです。そういう意味では、いいモチベーションになっているんです」

 5月27日現在、チームは20勝6敗1分でBCリーグFUTURE-Eastのトップを走っている。その中心のひとりに長谷川がいるのは間違いない。

「今年は先発一番手としてチームを守っていける存在になろうと決めていました。シーズンは半年間という短い期間ですけど、そのなかで自分が先頭に立ってやることで、チームも優勝にグッと近づくと思いますし、そこも自分にかけるプレッシャーではあります」

 口先だけじゃない。たしかな実力も身につけたBC新潟の快速右腕から目が離せない。

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