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佐々木朗希の投球は「世界が違う」。
最速163キロで変化球も一級品 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 この日、ランナー(2イニング目は無死一塁からスタートする特別ルールだった)として佐々木のスライダーを見た紅林は、こう言った。

「まるでボールが生きているみたいに動いていました。こんなの初めて見ました」

 こんなの初めて見た。それはこの日、佐々木を見たすべての人間の実感だったのではないだろうか。

 筆者は花巻東高校1年時から大谷を目撃しており、時に「佐々木と高校時代の大谷はどちらが上か?」と聞かれることがある。だが、比べようとすればするほど不思議なむなしさを覚える。「どちらもすごい」としか言いようがないからだ。

 ただひとつ言えるのは、「岩手に行こう」ということ。佐々木の全力投球を1球でも見れば、そんな議論が不毛に思える理由がきっとわかってもらえる。

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