金足農の「2ランスクイズ」を
メジャーリーガーが見るとどう思う?
この夏、春夏連覇を達成した大阪桐蔭とともに大会を盛り上げたのが、準優勝を果たした金足農だ。6試合すべてに先発し、881球を投げ抜いたエース・吉田輝星(こうせい)の熱投はもちろん、少ないチャンスを確実にものにし、得点に結びつけていった攻撃陣も見事だった。
なかでも準々決勝の近江戦でのサヨナラ2ランスクイズは、後世にも語り継がれるであろう「名シーン」となった。はたして、この「伝説の2ランスクイズ」をメジャーリーガーたちはどう感じたのか。今回、4人の現役メジャーリーガーにこのシーンの動画を見てもらった。はたして彼らの反応は?
準々決勝の近江戦、無死満塁から斎藤璃玖のスクイズで二塁走者・菊地彪吾が還りサヨナラ勝ちを飾った金足農■J.T.リアルミュート(マイアミ・マーリンズ/捕手)
―― 2ランスクイズを見て、どう思われましたか。
「ワォ! ホント信じられません。これは勇気が必要なプレーです。なにより、二塁走者に脱帽です。バントでセカンドから生還するというのは、集中力が最高潮に高まっていないとできません」
―― メジャーであり得るプレーだと思いますか。
「メジャーは無死満塁で、しかも負けている場面でバントというのはあり得ないプレーです。絶対ヒットで点を取ろうとします。メジャーでバントというのはほとんど見かけなくなりましたし、守備力が高いから2ランスクイズというのはほぼ不可能なプレーだと思います。(近江は)間違った守備はしていませんが、メジャーの選手だったらもっと送球が速いですから、二塁からホームインはできないと思います」
―― もしあり得るとするなら、二塁ランナーはどの選手ですか。
「足の速さだけでいうと、シアトル・マリナーズのディー・ゴードンか、シンシナティ・レッズのビリー・ハミルトンなら、このプレーは可能かと思います。しかし、バントを失敗することも想定しながらリードを取らないといけませんので、ホームインできるようなリードはまず無理かなと思います」
―― このプレーを見て、日本に対する興味は沸きましたか。
「日本に行きたくなりました。野球の視野が広がるかもしれませんし、見たことのないプレーに出会えるかもしれません」
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