2018.08.31

壮行試合で光った根尾と辰己の
フルスイング。スカウトがほしいのは?

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 神宮球場で行なわれた高校日本代表と大学日本代表の壮行試合。スタンドはものすごい熱気だった。前売りチケットは完売し、外野スタンドも隙間がないほど、観客で埋め尽くされていた。

 試合は、4回まで大学生が6-0でリードと一方的な展開。しかし、そこから高校生が反撃を見せ、終わってみれば7-3。最後まで試合が壊れることはなかった。

第2打席でセンターオーバーの三塁打を放った根尾昂 ヒットの数は大学生の11本に対して、高校生は7本。数でこそ大学生に軍配が上がったが、内容的にはまったくの互角だった。140キロ後半は当たり前の右腕4人に、絶妙な緩急で攻める左腕2人の大学生投手を相手にしてこの結果なら、十分に称えられるべきだろう。

 高校生の野手で光ったのは、番に入った根尾昂(大阪桐蔭)だった。ドラフト1位候補の松本航(日体大)の147キロをライトポール際に放り込んだ小園海斗(報徳学園)のとっさのバットコントロールにも目を見張ったが、根尾の4打席にはそれぞれに魅力が詰まっていた。

 試合開始から、高校生のメンバーたちが大学先発の左腕・田中誠也(立教大)のカーブ、スライダーにタイミングを崩されているのを見て、根尾はベンチで、ネクストバッターズサークルで学習していた。

 1打席目、真ん中やや外寄りのストレートをレフト前に弾き返すと、2打席目はセンターの頭をライナーで超える三塁打。そのあとの2打席は三振に終わったが、決して当てにいかず、しっかりトップをつくってからのフルスイング。打者としても”真っ向勝負”の姿勢が、そのまま根尾の将来性に映って見えた。

 そしてこの試合、豪快なフルスイングで根尾以上の迫力があったのが辰己涼介(立命館大)だ。本当にバットで背中を叩いてしまいそうなぐらいの強烈なスイング。全身が自在に回転できる柔軟性があり、しかもそういうタイプにありがちな線の細さがない。

 さらに、プロに混じっても間違いなくトップクラスにランクインする快足と強肩が、辰己にはある。