100回大会は目玉不足から豊作へ。ドラフト上位候補は6人いる (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「バッティングの際、フォロースルーが素晴らしい。沖学園戦の逆方向(レフト方向)のホームランは外の球を狙って打った見事な一発。ボールに対する集中力がすごい。『やってやろう』という気持ちが空回りしないのもいいね」(セ・リーグ球団スカウトD氏)

 ただ、今回を含め4度甲子園に出場している藤原だが、万全の体調で迎えたのはこの夏が初めてとあって、「故障が怖い」と話すスカウトもいた。

 この2人に勝るとも劣らない評価を得たのが、報徳学園の小園だ。初戦の聖光学院戦で3本の二塁打を記録。一般的に、二塁到達タイムが8秒を切るとかなり速いと言われるが、小園は7秒7台を連発。驚異のスピードをスカウトたちに見せつけた。

「守備と走塁は問題ない。打撃が課題だったが、非力さがなくなった。もともとバットに当てるのが上手な選手で、走攻守の三拍子が高いレベルで揃った。去年のU18世界大会や甲子園など、大舞台で力を発揮できるのもいいね」(A氏)

「社会人、大学も含めて、アマチュアでナンバーワンのショート。少なくとも10年はレギュラーを張れる選手。性格もプロ向きっぽいし、今回の活躍で評価がグーンと上がりました」(B氏)

 とくに守備は、「プロでも二軍なら即レギュラー。一軍でも通用するレベル」と高評価だ。

 この3人に加え、今大会で外れ1位候補に浮上してきたのが、浦和学院の190センチ右腕・渡辺勇太朗。3月上旬に右ヒジを痛めた影響で春の県大会はベンチ外だったが、甲子園初戦の仙台育英戦で149キロをマークするなど、底知れぬ可能性を感じさせた。

「スケールは間違いなく高校ナンバーワン。大きいだけでなく、柔らかさもある。ボールにボリューム感があって、ベース上でブワッと広がってくる感じ。コントロールも悪くないし、指先の感覚もいい。今は突き上げる投げ方だけど、上から叩けるようになったら面白い」(B氏)

「ゆったりしたフォームで余力十分。将来性はナンバーワン。3~5年後にはローテーションの中心になっている可能性がある」(D氏)

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